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財務理論 第24回 引当金(計上のための4要件と論拠)ざっくり勉強法

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こんにちは、公認会計士ひでともです。

僕が会計士を目指した際に、解答を覚えるために行った「要約」を公開します。

ひでとも
なぜ僕が要約した理解&暗記を重視しているのかは、こちらです
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構成は、まずは問題文とこれに対する解答例を記載し、実際に僕が記憶する際にどのような要約方法をとったのかを記載していきます。

公認会計士試験合格を目指した際に、完全な暗記ではなく「点を稼げる暗記」という方針をとったため、解答例を少しアレンジしたりしていますが、会計士試験に合格するための理解や大枠としての理解としては十分だと思っています。

この方法で、僕は論文式試験の全国模試で財務理論の一部で20位以内をとり、また全科目の順位も同じ教室内で常に上位を維持していました。記憶に対する努力量に対してコスパの良く、それなりに効果のある学習方法だと思っています。

それでは、さっそく本題に入りたいと思います。

 

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1.引当金 計上要件と論拠(問題と回答)

問題と回答

【問題】引当金

引当金について、以下の各問に答えなさい。

(1)引当金の計上要件を説明しなさい。

(2)貸倒引当金の設定論拠を説明しなさい。

【解答例】引当金の計上

(1)引当金の計上要件

引当金は、将来の特定の費用又は損失であって、その発生が登記以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつ。その金額を合理的に見積もることができる場合に計上される。

(2)貸倒引当金の設定論拠

引当金は、期間損益計算を適正に行うため、将来の特定の費用又は損失を繰り上げ計上した際に生じる貸方項目である。

将来において、債務者の倒産等により債権が貸し倒れる可能性が高い場合、その将来の貸し倒れ損失は商品等を販売することにより獲得した債権の発生に起因しているため、その金額を合理的に見積もることにより当期の費用として計上すべきである。これにより将来の費用を当期に繰り上げ計上して債権の発生の原因である商品等の売上高に対応させることができ、適正な期間損益計算を行うことが可能になる。

 

2.引当金 計上要件と論拠(要約)

 

ひでとも
この論点について、僕は次のように覚えました。また、解答の正確な要約というより、別の角度からの出題に対応できるようなイメージで要約しています。

要約

【要約】引当金の計上

引当金の4要件

①将来の特定の費用又は損失
②発生原因は過去(当期以前に起因)
③発生可能性が高い
④金額が合理的に見積もれる

貸引※の計上論拠

ポイント:適正な期間損益計算(費用収益対応の原則)

将来の貸倒損失⇒販売時点に起因

つまり

発生原因は当期に起因

(※)略語・用語の意味

要約で使用している略語や用語の意味です。

こちらは、一般的な略語・用語もありますが、僕が記憶する上で覚えやすいようにしているものも含まれます。

貸引:貸倒引当金

 

3.要約のポイント

今回は引当金の計上要件と貸倒引当金の計上論拠の関係性についてです。

ひでとも
正直なところ、引当金の4要件は要件を丸暗記した方が良いです。

もちろん試験的な意味では、要約も必要ですが、引当金の4要件は実務上も瞬発力をもってパッと思いつかないといけません。

クライアントと会話している際にも引当金とするか否かは、そもそも要件を覚えていなければ考えつきもしません。

 

例えば、当社が取引先A社の銀行借入に債務保証を行い、期末時点でA社の財政状態が著しく悪化した場合の会計上の取扱いを考えてみましょう。

こういう事例問題が出た際には、まずは定義を並べて当てはまるか否か?をだらだら書いていきます。

要件①「将来の特定の費用又は損失」

ひでとも
まずは将来の特定の費用又は損失か?です。

この点、A社が借入金の返済ができない場合(=債務不履行)には、当社が保証債務を履行することとなり、当社はA社に対する求償権を得ることになります。

そして、当該求償権が回収不能となった場合には、当社は貸倒損失を被ることになるため、この損失は将来の特定の損失と言えます。

 

要件②「発生原因は過去」

ひでとも
続いて発生原因は過去か?です。

当社が被ることとなった貸倒損失の発生原因はなんでしょうか?

はい、保証債務を締結したことですね。

すると、将来の特定の損失の発生原因は「過去」に起因していることになります。

よって損失の発生は当期以前の事象に起因しています。

 

要件③「発生可能性が高い」

ひでとも
そして発生可能性が高いか?です。

発生可能性とは何をもって高いと言えるのか?という論点はありますが、今回の事例ではどうでしょうか。

A社の財政状態は期末日時点において著しく悪化しているという記載から、発生可能性は高いと言えます。

まあ、この辺は問題文から出題者の意図を察してください。

実務上、財政状態が著しく悪化してるから即発生可能性が高いかは、個別のケースによって異なりますので、実際にはもう少し発生可能性の検証を行う必要があります。

 

要件④「金額が合理的に見積もれる」

ひでとも
最後は金額が合理的に見積もれるか?です。

ここで論述の分岐が起きます。

つまり、引当金の計上できるか否かです。

要件①~③を満たし、かつ④も満たす(=金額が合理的に見積もれる)のであれば「債務保証損失引当金」を計上することになります。

一方で、要件①~③は満たすものの④は満たさない(=金額を合理的に見積れない)場合には、引当金は計上できないことになります。

ただし、債務保証損失引当金のようなものについては、金額の合理的見積りが難しい場合でも将来的に当社が負担する現実の債務となり得るので、重要性が乏しい場合を除き、偶発債務として保証債務の金額を注記することになります。

 

4.利用上の注意点

本要約は、僕が会計士試験合格を目指していた2013年~2015年頃の基準に基づいて作成しています。公開の主要な目的は、試験勉強時にどのような要約をすべきなのかという点の共有です。この辺りは予備校では細かく教えてもらえておらず、僕が独自に行ったノウハウなので、その点だけご留意いただいてご自身の勉強に活かしてください。

最新の会計基準に対する要約は、必要に応じて別途公開していく予定ですのでご承知おきください。

 

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