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財務理論 第19回 投資の回収形態と収益性低下の判断基準 ざっくり勉強法

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こんにちは、公認会計士ひでともです。

僕が会計士を目指した際に、解答を覚えるために行った「要約」を公開します。

ひでとも
なぜ僕が要約した理解&暗記を重視しているのかは、こちらです
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構成は、まずは問題文とこれに対する解答例を記載し、実際に僕が記憶する際にどのような要約方法をとったのかを記載していきます。

公認会計士試験合格を目指した際に、完全な暗記ではなく「点を稼げる暗記」という方針をとったため、解答例を少しアレンジしたりしていますが、会計士試験に合格するための理解や大枠としての理解としては十分だと思っています。

この方法で、僕は論文式試験の全国模試で財務理論の一部で20位以内をとり、また全科目の順位も同じ教室内で常に上位を維持していました。記憶に対する努力量に対してコスパの良く、それなりに効果のある学習方法だと思っています。

それでは、さっそく本題に入りたいと思います。

 

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1.投資の回収形態と収益性低下の判断基準(問題と回答)

問題と回答

【問題】投資の回収形態と収益性低下の判断基準

資産の収益性の低下に関する以下の各問に答えなさい。

(1)収益性の低下の判断基準について基本的な考え方を説明しなさい。

(2)固定資産について、投資の回収形態と収益性低下の判断基準を説明しなさい。

(3)市場価格のない債権又は債権について、投資の回収形態と収益性低下の判断基準を説明しなさい。

(4)その他有価証券(株式)について、投資の回収形態と収益性低下の判断基準を説明しなさい。

(5)通常の販売目的で保有する棚卸資産について、と収益性低下の判断基準と収益性低下の判断基準を説明しなさい。

【解答例】投資の回収形態と収益性低下の判断基準

(1)収益性の低下の判断基準の基本的な考え方

それぞれの資産の会計処理は、基本的に投資の性質に応じて定められている。
したがって、収益性の低下の有無については、投資が回収される形態に応じて判断することが適切であると考えられる。

(2)固定資産

固定資産については、使用又は売却によって投資を回収する。よって、減損の兆候が存在する資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が、これらの帳簿価額を下回る場合には収益性が低下していると判断されるため、減損損失を認識する。

(3)市場価格のない債権又は債券

市場価格のない債権又は債券は、契約の履行又は売却によって投資を回収することから、債務者区分の低下に伴い、貸倒懸念債権又は破綻構成再検討に該当する場合には、収益性の低下が生じていると判断されるため、個別に貸倒引当金の計上を行う。

(4)その他有価証券(株式)について、投資の回収形態と収益性低下の判断基準を説明しなさい。

その他有価証券(株式)の場合には、株式持ち合いによる保有を通じた事業協力又は売却・配当の受領によって投資を回収する。しかし、時価が著しく下落した場合には、回復可能性がある場合を除いて、収益性の低下が生じていると判断されるため、時価をもって貸借対象表価額として、評価損失を計上することになる。

(5)通常の販売目的で保有する棚卸資産について、と収益性低下の判断基準と収益性低下の判断基準を説明しなさい。

通常の販売目的で保有する棚卸資産の場合には、固定資産の様な使用を通じた回収や債券のような契約を通じた回収は想定されておらず、売却によってのみ資金の回収を図る。このような投資の回収形態を踏まえると、評価時点における資金回収額を示す棚卸資産の正味売却価額が、その帳簿価額を下回っているときには、収益性が低下していると考え、帳簿価額の切り下げを行うことが適当である。

【出典:「棚卸資産の評価に関する会計基準」37項】

 

2.投資の回収形態と収益性低下の判断基準(要約)

 

ひでとも
この論点について、僕は次のように覚えました。また、解答の正確な要約というより、別の角度からの出題に対応できるようなイメージで要約しています。

要約

【要約】投資の回収形態と収益性低下の判断基準

■ポイント

資産の会計処理⇒投資の性質に応じて決まる
よって、、、
収益性の低下⇒投資の回収形態で判断すべき

区分投資の回収形態収益性の低下の判断基準処理
固定資産使用 or 売却割引前将来CF<ボカ ※減損
時価なし債権・債券契約履行 or 売却債務者区分低下貸引※
その他有価証券(株式)事業協力 or 売却・配当時価が著しく低下
(回復可能性有り時を除く)
時価でBS計上※
評価損計上
棚卸資産(通常目的)※販売のみ正味売却価額<ボカ ※ボカ切り下げ※

(※)略語・用語の意味

要約で使用している略語や用語の意味です。

こちらは、一般的な略語・用語もありますが、僕が記憶する上で覚えやすいようにしているものも含まれます。

CF:キャッシュ・フロー

ボカ:帳簿価額

貸引:貸倒引当金

BS:貸借対照表

通常目的:あえて記載するのは、トレーディング目的があるため

 

3.要約のポイント

今回は投資の回収形態と収益性低下の判断基準です。

ひでとも
この論点も会計基準の基本的な考え方であるため、他の論点や問題に応用が利く便利な論点です。

 

要約時のポイントは、(1)のように、どうやって収益性低下の判断をするのか?の基準は、どうやって回収するか?という回収形態によって決まっているという前提を叩きこむことです。

そのうえで、このようにいくつかの項目(回収形態、収益性低下の判断、会計処理)がある場合には、マトリックスを作成します。

今回は「固定資産・時価なし債券・その他有価証券・棚卸資産(通常目的)」であることから、これらをマトリックスに当てはめて、該当する解答の要点を記載しておきます。

こうすることで例えば、固定資産は?と聞かれたら「使用・売却、割引前将来CF<ボカ、減損」と三点セットで答えを思い出せるようになります。

そして、マトリックスのイメージで記憶するので、同時に他の資産についても思い出しやすくなります。

 

4.利用上の注意点

本要約は、僕が会計士試験合格を目指していた2013年~2015年頃の基準に基づいて作成しています。公開の主要な目的は、試験勉強時にどのような要約をすべきなのかという点の共有です。この辺りは予備校では細かく教えてもらえておらず、僕が独自に行ったノウハウなので、その点だけご留意いただいてご自身の勉強に活かしてください。

最新の会計基準に対する要約は、必要に応じて別途公開していく予定ですのでご承知おきください。

 

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