こんにちは、公認会計士ひでともです。
僕が会計士を目指した際に、解答を覚えるために行った「要約」を公開します。
公認会計士試験の勉強法!僕が実践した資産テキストを作る方法。
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構成は、まずは問題文とこれに対する解答例を記載し、実際に僕が記憶する際にどのような要約方法をとったのかを記載していきます。
公認会計士試験合格を目指した際に、完全な暗記ではなく「点を稼げる暗記」という方針をとったため、解答例を少しアレンジしたりしていますが、会計士試験に合格するための理解や大枠としての理解としては十分だと思っています。
この方法で、僕は論文式試験の全国模試で財務理論の一部で20位以内をとり、また全科目の順位も同じ教室内で常に上位を維持していました。記憶に対する努力量に対してコスパの良く、それなりに効果のある学習方法だと思っています。
それでは、さっそく本題に入りたいと思います。
1.概念フレームワーク 投資のリスクからの解放 事例(問題と回答)
問題と回答
【問題1】関連会社株式の投資のリスクからの解放
関連会社株式に関する以下の各問に答えなさい。
(1)連結財務諸表上、関連会社株式を保有ししている場合に、配当金受領前に投資の成果を認識する理由をリスクからの解放の観点から説明しなさい。
(2)個別財務諸表上、関係会社株式への投資の成果を(1)の時点で認識できない理由と、投資の成果の認識時点について説明しなさい。
【問題2】減損損失のケース
収益の費用も、投下資金が投資のリスクから解放されたときに把握されるが、減損損失のような損失は、投資のリスクから解放されているか。
【解答例1】関連会社株式の投資のリスクからの解放
(1)連結財務諸表
関係会社株式には、持分法が適用され持分法投資損益という形で配当金受領前に投資の成果が認識される。
連結財務諸表では、被投資企業と投資会社との間に事業の一体性を見出すことができ、被投資企業の事業活動は投資企業の事業活動の延長線上にあると位置づけられる。よって、被投資会社が利益を獲得した時に投資会社においてもリスクから解放されたと考えられ、被投資会社の成果の獲得を投資会社の投資の成果とみなすことができるのである。
(2)個別財務諸表
個別財務諸表では、事業の一体性を考慮していないため、持分法は適用できず、配当金受領時に投資の成果を識別することとなる。
【出典:「財務会計の概念フレームワーク」第4章 本文47項】
【問題2】減損損失のケース
投入要素の投下された資金は、キャッシュが獲得されたとき、または、もはやキャッシュを獲得できないと判断されたときに、その役割を終えて消滅し、投資のリスクから解放される。
減損損失は、帳簿価額を回収可能価額まで減額することで算定された金額であり、投下された資金のうちこれに相当する部分については、もはやキャッシュを獲得できないと判断されている。
よって当該部分については、その役割を終えて消滅していると考えられる。よって、減損損失は、投資のリスクから解放されているといえる。
【出典:「財務会計の概念フレームワーク」第3章 本文15項】
2.概念フレームワーク 投資のリスクからの解放 事例(要約)
要約
【要約1】投資のリスクからの解放(関係会社株式)
ポイント:事業の一体性
区分 | 事業の一体性 | 投資の成果の認識 |
連結 | 〇 | 持投(※) |
個別 | ✕(=持分法NG) | 配当のみ |
【要約2】投資のリスクからの解放(減損損失)
投下資金のリスク解放は2パターン
①キャッシュ獲得した時
②キャッシュ獲得NGが確定した時
減損=ボカ(※)を回可(※)へを減額すること
⇒減額相当額は②にあたる
⇒リスクから解放されている
(※)略語・用語の意味
要約で使用している略語や用語の意味です。
こちらは、一般的な略語・用語もありますが、僕が記憶する上で覚えやすいようにしているものも含まれます。
持投:持分法投資損益
ボカ:帳簿価額
回可:回収可能価額
⇒ノートに書く際は短く書きたかったので短縮しています。
3.要約のポイント
今回はリスクから解放されているか?について関連会社株式と減損損失の事例で解説しました。
関連会社株式のポイントは「事業の一体性」で、これは連結と個別で考え方が異なるという点を抑える必要があります。
また、投資の成果をどのように認識するのか?という意味で持分法投資損益なのか配当なのかを覚える必要があります。
減損損失については、投資のリスク解放が2パターンあることを抑え、キャッシュが回収できないということが確定している=リスク解放という図式を理解します。
4.利用上の注意点
本要約は、僕が会計士試験合格を目指していた2013年~2015年頃の基準に基づいて作成しています。公開の主要な目的は、試験勉強時にどのような要約をすべきなのかという点の共有です。この辺りは予備校では細かく教えてもらえておらず、僕が独自に行ったノウハウなので、その点だけご留意いただいてご自身の勉強に活かしてください。
最新の会計基準に対する要約は、必要に応じて別途公開していく予定ですのでご承知おきください。