短答式試験に合格して、いよいよ最後の壁である論文式試験。
12月の短答式試験後から8月の試験までの短期間で論文式試験の論述のための知識を蓄えなければいけません。
しかし量が膨大なので挫折してしまいそうになる方が多いかもしれないです。
僕もそんな一人でした。
しかしめげずにとにかく手を動かし始めた結果分かった事が1つあります。
今後同じような論述式の試験があるとすれば僕は必ず同じ勉強方法を取る。
ということです。
僕にとってこの方法は公認会計士論文式試験の理論科目のほぼ全てに共通する方法でした。
実際に某大手予備校の理論分野の大問ベースで全国20位以内になった経験もあります。
得意だったからではなく、しっかり対策したからこそ出来たことだと思います。
僕の勉強方法の主なポイントは2つです。
「①要約」と「②使い回し」です。
人によって勉強方法は違いますが、おそらくここに来てくださったあなたにとっても役に立つお話しだと思いますし、多くの受験生が実践している方法でもあると思います。
これらを行うことによって資産としてのテキストが出来上がります。
そうすればどんどん復習の手間が省け、僕のような面倒くさがりが好きなことをする時間が増えるという分けです(笑)
論文式試験に受かるには理論は必須
論文式試験は計算と論述の2つがありますが、計算はみんなだいたい出来るので、点差が付きにくいです。
そして短答まで「計算・計算・計算」で来ているとつい論文式も「理論苦手でOK」的な感覚に陥りがちです。
しかし論述は今までほぼ未経験の分野ですので、しっかり対策しないと普通に落ちます。
論文式試験の勉強法
要約と使い回しと言いましたが、これはどういう事でしょう。
僕は基本的に面倒くさがりだったため、たくさん覚えたりするのは面倒でした。
また、そもそも各論点に対する回答1個ずつ覚える能力もなかったです。
なので面倒くさがりで平凡な僕は、とにかく「要約による簡略化」、「使えるものは使い回し」によって投下時間あたりの回収得点を高める事に決めました。
勉強のポイント1.要約
僕はこの要約力が特に大事だと思います。
なぜなら、「要約できること」≒「理解していること」だからです。
予備校の先生達は「理解!!」とよくおっしゃっていますよね?
僕の思う理解とは、その論点の内容を要約して頭に浮かべることが出来るようになることだと思っています。
それでは要約の方法をお話をしますね!
やり方1:キーワードと構成を掴む
突然ですが質問です。
あなたは桃太郎の物語について話せますか?
ちなみに僕は空で話せます。
昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
おばあさんが川で洗濯をしていると川上の方から大きな桃がどんぶらこどんぶらこと流れてきました。
家に持ち帰り二人で桃を割ると、中からそれはそれは元気な赤ちゃんが出てきました・・・
とまあこんな具合です。
もちろん何も見ていませんよ!!笑
もし、桃太郎が産まれるまでについて論ぜよという問題だったとしたら、あなたは僕の桃太郎に何点つけてくれますか?
最低でも70点くらいつけてください(笑)
僕が何が言いたいかというと、
「必要なキーワードと構成を抑えればスラスラと記述出来る」ということです。
嘘じゃありません。あなたも桃太郎なら簡単に話せますよね?
なぜなら、それは「桃太郎」というお話のキーワードと構成が頭に染みついているからなんです。
では金太郎ならどうでしょう?クマと相撲はみんな知っていても、どんなお話かパッと話せる人は桃太郎を話せる人より少ないはずです。
話は戻して、、、桃太郎のお話しを例にキーワードと構成をどう取るのかを考えてみましょう。
注意:
キーワードと構成(ストーリー)は必ずセットで覚えてください!
キーワードだけを覚えようとしても結局全体としての意味がないのでしっかり論述ができません、、、
英単語の羅列で英会話を成立させようとするようなものです。
やり方2:桃太郎のキーワードと構成なら?
桃太郎の話をしようと思ったら、次の8つくらいのキーワードと構成にまとめれば
何十回何百回「桃太郎の話を書きなさい」と言われても書けそうです。
①おじいさんとおばあさん
②おじいさんは芝刈り・おばあさんは川で洗濯
③川上から大きな桃
④中から桃太郎
⑤悪い鬼がいるから桃太郎が成敗へ
⑥おばあさんから桃太郎はきびだんご貰う
⑦犬、猿、キジに出会い、きびだんごと引き換えに仲間
⑧全員で鬼退治
これを会計士試験に置き換えたのが、まさに僕が実践した方法です。
これさえ覚えれば良いわけです。
キーワードを繋ぐ文はその時々で多少違っても構わないので、覚えないで起きましょう!
だいたいどこの予備校でも論述対策用の問題集があるので、全ての問題でこれを行います。
繰り返しますが、行うのはキーワードの抜き取りと構成の記述です。
書き方は先ほどの桃太郎の話のようにざくっとストーリーとキーワードで書くと良いと思います。
勉強のポイント2.使い回し
実は使い回すことは、要約するほど労力はいりません。
とにかく「使い回す」ことです。
え?どういうことかって??
まあとにかく読み進めてみてください(笑)
やり方1:あの論点と同じであると認識する
頑張ってせっせと要約作業をしているとふと気が付くことがあります。
「この論点、あの論点と似ている!!!」・・・と。
そう、ここであなたは何をすべきかというと「似ている話は知っている話と同じ」と思うのです。
繰り返します「これはあの論点と同じである」と思うことが大事です。
超簡単じゃないですか??
似ている論点は似ていると思いながらそこをまとめる。
実際これをすることで、複数の論点を頭に紐づけて残せます。
やり方2:カレーと肉じゃがの作り方なら?
では例によって例え話をします。
あなたはカレーの作り方ってご存じですか?
知らなくても仮に知っているとしたらという体で考えてください。
はい、ある日突然肉じゃがという料理に出会ったとしましょう。
そして作り方を聞いてあなたは思います。
「途中までほとんど一緒じゃん!」と
つまり肉、じゃがいも、玉ねぎ、にんじんなどを油で炒めて作っていく所までは
カレーも肉じゃがもほぼ同じというわけです。
ではカレーの作り方について知っているあなたが肉じゃがを覚えようとしたらどうしますか?
「ここまではだいたいカレーと同じ。」と考えて、その先の違いだけを覚えますよね!
覚える手間を省略したわけです。
この手を論文式試験で使わないのはもったいないと思います。
やり方3:会計学に当てはめた実例
例として会計学にスポットを当ててみたいと思います。
個人的にですが、会計学を論述する上で特に有能で便利な奴らがいます。
そう、「概念フレームワーク」です。
彼らは正直なところ完璧に覚えれば覚えるほど使い回しの効く便利な論点です。
まあ、もちろん概念フレームワークというのはそういうものなので、どの論点にも波及して使えるの当然っちゃ当然です。
とはいえこれについて意外と出来ていない人が多かった印象です。
知らない論点や書き方に悩む論点が出題されたら概念フレームワークに立ち返って書けば良いのです。
仮に全く知らない論点にも関わらず「資産として認識すべきか?」という問題が出たとしましょう。
あなたは全く知らないからといって諦めますか?
違いますよね、1点でも稼ぎに行きましょう。
では何をすれば良いか。
とりあえず簡潔に資産の定義を述べましょう
これだけで0点は回避して1点くらい貰えるはずですし、書いているうちに「あっ!資産の定義的にはこれは資産にしても良いかも!」とかひらめいたりするわけです。
資産の定義:
過去の取引又は事象の結果として、報告主体が支配している経済的資源を言う。
これを覚えているだけで未知の論点でも1点は取れるようになりますし、あきらめずに済みます。
論文式試験の論述はこういう泥臭い作業の積み重ねなのです。
そして概念フレームワークの中で便利なのは「比較可能性」という会計情報の質的特性です。
これは、日本基準とIFRSとの比較、現行基準と過去の基準の比較の際に「こっちのが比較可能性が確保できる」とか、そういった風に使います。
比較可能性について簡単に書いてから論述するだけでもガラッと解答の印象は変わると思いますよ!
ここまで、「要約」と「使い回し」に関するお話をしてきました。
もう少しお付き合いください。
早く資産(回すテキスト)を作る
要約作業は結構大変で遠回りのような気がしてしまいます。
でも実はこれが一番の近道なんです。
早くこういった「回すテキスト」を作成して、さらっと見返せば済むようなテキストを完成させましょう。
これは後付けですが、そういう意味で完全に僕のテキストは「資産」でした。
早めに「回すテキスト」を作っていたので会計士試験の5科目の基礎的な論点はその気になれば2~3日で網羅的に復習できます。
このため、どんどん新たな勉強や深い理解を進めるすることが出来ました。
さらに試験勉強中でも友人と遊びにいったり、好きな本を読むなどその他の事に時間を使えるように!!
おかげさまで3月末のTACの模試で2桁順位だったのに、本試験は300位まで順位を落としましたけどね(笑)
でも会計士試験にのみ打ち込んでいたら得られなかった多くの経験が出来ました。
サークルで遊んだり、徹夜で麻雀打ったり、超絶苦手だったExcelの勉強をしてみたり、、、、
早めに資産である回すテキストを作成したおかげで会計士試験はある程度合格の目途が立つようになりました。
短答式試験終了後~3月くらいは8時から23時まで必死に勉強しまくりました。
人生であんなに必死になったことはないかもしれません。
その結果として後半はさまざまなことを学べましたし、経営学のファイナンスにハマってじっくりそれを学ぶ時間を得ることが出来ました。
最初に必死で頑張り、要約と使い回しという結論に至ったのが大きかったです。
最後に・・・
僕が実践した勉強法についてお話してきました。
少しでもお役に立てればと思います。
今回は論文式試験全体に関する要約的な内容になっていますが、これは各論点の理論を学ぶ上で特に重要なことだと思いますので、どうぞ参考にしてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。