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【考察】監査法人はつまらないのか?小規模クライアントへの価値提供は存在意義になる。

 

こんにちは、公認会計士ひでともです。

監査をしていると「つまらないな~」と思うことや「どうやったら楽しくなるんだろう」と思うことがよくありませんか?

ひでとも
僕はずっと思っていました。

そのなかで、そもそも「何故監査がつまらないのか」を考え、「楽しい部分はないのか?」を考察しました。

そのなかで、近い将来の独立へ向けて、クライアントへ自分自身ができる価値提供の方法を考えて現在実践中です。

今回も、公認会計士の日常と称し、一人の公認会計士として、クライアントへどのように価値提供できるかについての自分自身の中での悩みをツラツラと記事にしました。

 

なぜ監査法人がつまらないのか

監査という仕事は、過去の数値の見直しの側面があるのでつまらないと感じる人が多いのでしょう。

ただ、つまらないと断言してしまうのはちょっと早くて、つまらない部分を切り分ける必要があると思います。

どの部分がつまらないのかを切り分けて「つまらない」と言わないと、改善できません。

財務諸表監査の考え方と同じで、アサーションに分けて考えるみたいな小分けに対応した方が良いと思っています。

ひでとも
僕は監査自体は楽しいものだと考えています。

監査計画を立てて、リスクアプローチでリスクによって手続の厚みを変える点も当然ながら、クライアント担当者と色々話すのも楽しいはずです。

取締役会の議事録を読んで「あー、この会社はこう考えてあれをやるんだな」とか「コロナへの対応はこうとらえてるんだな」というのがわかるのも楽しいです。

このように「考える部分」は会社の経営などと同じで本質的には楽しいものなんだと考えています。

 

監査のつまらない部分

では、監査のどこがつまらないのでしょうか。

個人的には監査をつまらないと感じる点は圧倒的にバウチングだったり、形式的な調書の作成部分だと思っています。

ひでとも
別に俺じゃなくても良くね〜?という事が多いからです。

形式的な調書作成も、実質的なものにする努力をすれば良いじゃんという意見もあるかと思います。

ただ、実務をやっている会計士ならイメージ出来ると思いますが、毎年のように基準が変更になり、さまざまな指摘を協会から受けるので「とりあえず形だけでも作らなきゃ行けない資料」に忙殺されて中身を考える暇がほとんどありません。

小規模なチームだと主査がワンオペなんてケースも多いですから、なかなか厳しい戦いです。

さらに、こういった資料を作成して「とりあえず整理はついたから、来年本格運用だ!」なんて思ってると、昨年の10,000倍くらいのおかわりが来るので無限に同じ場所を回ってるイメージです。

こういった、本質的じゃない作業に追われてしまい、法人や会計士協会の対応をしていると「俺は今、誰を見て仕事してるのだろう」と疑問に思う会計士が出てくるのは当然かなと思います。

ひでとも
もしちゃんと運用出来てる会計士の方がいたら、やり方やコツを教えていただけるとありがたいです!

 

少し話が逸れてしまいますが、昨今は36協定の厳しくなっているので、スタッフへ仕事を振るのも難しくなっています。

シニアやマネージャーが考えれば適切な時間内で対応できるものの、スタッフだと時間がかかりすぎて36協定的にNGになってしまうというリスクを回避する思考です。

頭を使って飯を食ってる仕事なので、どこまでが仕事でどこまでが自己研鑽かの判断は難しいですが、なかなかスタッフを成長させてあげるのも難しくなってしまっています。

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クライアントへの価値提供は楽しい

監査の意味のない作業はとにかくつまらないものの、クライアントへの価値提供が出来た時はやりがいがあります。

ひでとも
迷いなく楽しいと言えます。

特に、僕は監査法人に長くいるつもりはないので、最近は現在置かれた環境でどのようにクライアントへ価値を提供出来るのかを考えるようになりました。

もちろん監査というものに一定の価値があるのは議論の余地はありません。

しかし、僕自身がクライアントから感謝いただけるような価値を出せているのか?という問いに対しては実はNoなんじゃないかと感じていました。

特に大規模クライアントだと、ちょっとした何かで感謝していただけることは少ないです。

大規模クライアントで価値提供が難しい理由

公認会計士といえども、まだまだ6年目。

大きなクライアントのように内部統制もしっかりしており、様々なものが標準化・システム化されている場合に初見で役に立つ情報提供をすることは難しいです。

また、仮にクライアント側に改善できるような論点が存在していたとしても、いちシニアのコメントでサクサク動けるほど体が軽くない規模なので、そうそう感謝されるレベルの価値を提供することはできません。

大規模クライアントでの価値提供経験

ひでとも
僕の話にはなります。

重要性の基準値にあたるほどではないものの、そこそこの金額にはなる会計処理の誤りを発見したことがありました。

この原因は、処理の判断基準がクライアント内で整理されていなかった事に起因していたため、処理の整理と判断基準を検討したことがあります。

結果的にチームとしては一定の評価を得たのですが、僕個人としてクライアントから何かフィードバックをいただくことはありませんでした

まだJ1だったこともあり、細かい説明などはマネージャーが担当することになったので当然と言えば当然です。

このように一定以上の規模の会社になると、なかなかスタッフが表立って対応できるケースは少ないです。

チームとしての価値提供はできていても、自分の貢献度がどの程度なのかが曖昧であり、自身の存在意義に疑問を抱いてしまっていました。

もちろんパートナーやマネージャーからは感謝していただき嬉しかったのですが、やはり直接クライアントから感謝してもらえるような会計士になりたいなという想いが強かったと記憶してます。

だからこそ、「クライアントへの価値提供」の冒頭でもお話した通り、今後独立などを視野に入れた際に、このままで良いのか?何か直接的にクライアントへ価値提供出来る方法はないのか?と考えていました。

そこで、僕は担当する小規模クライアントに対して今の自分にできる価値提供は何なのかを考えるようになりました。

 

小規模クライアントへの価値定期がベスト

僕がクライアントから感謝していただけるような価値を提供するためには、僕自身が表立って対応できる規模のクライアントである必要があります。

また、フットワークが軽く、良くも悪くも様々な調整の必要がない非上場の小規模クライアントの方が様々なアドバイスをする訓練になります。

アドバイスと言うと上から目線のような気がしますが、課題の解決を考えることで自分自身も成長ができるので大変ありがたい機会です。

さらに、非上場の小規模クライアントの方が色々な論点がとっ散らかっている上に、比較的簡単に解決可能な論点の場合が多いです。

上場企業ほど利害関係者が少ないので、これまで放置されていたり、会社自身が気が付いていないなどというケースがあり、コメントしたり整理したりすると、非常に感謝してもらえます。

大規模クライアントを担当していると、あまりイメージがわかないと思いますが、小規模クライアントには「え?そのレベル?」と言えるような課題が山積しています。

そこで、「いや、まさかそれくらい知ってるよね」と思わずにヒアリングしてみると、色々と悩み事を話してくれるようになるんです。

 

小規模クライアントが訓練になる理由

大規模なクライアントのように非常に複雑な会計処理であったり、複雑な金融商品の論点は勉強にはなるものの、少しずつアドバイザリー的な練習をするのには難易度が高すぎます。

そこで、今後の独立を見据えた価値提供は小規模クライアントがベストだと感じています。

基礎レベルから価値定期の訓練が可能

僕のケースの小規模クライアントでよくあるのが会計処理の仕方がよくわからないという相談です。

基本的なレベルから、少し発展的なレベルまで様々な質問が寄せられますが基本的に「どうやるの?」ベースで会社としての方針や説明資料・検討資料はありません。

このようなケースでは、会計基準を整理して簡単なパワポで事例とともに解説したり、具体的にどのように処理の判断を行うかの判断基準を説明したりと半分セミナーのようなことをやっています。

経営層の考え方を知れる

先ほどの会計処理などの相談や、内部統制の構築についての相談に乗る際には必要に応じて社長やCFOと面談を行います。

面談の目的は、面倒を通じて経営陣がどのように考えているのかをヒアリングし、監査上必要な対応や、今後のクライアントのためになるような整理について意見交換を行うことにあります。

もちろん、どこまでが指導的機能なのかの棲み分けは重要ではあるものの、そういった「会社としてどうしようか悩んでいる」レベルの課題の解決法を考え、提案する経験を積み、経営陣の考え方に触れられるのは、今後の独立を見据えた上で大きな経験になります。

経営陣とのコミュニケーションに慣れる

会社の経営陣とこみ入った会話をすることに20代で慣れておくことは重要だと考えています。

今後、公認会計士として独立して仕事をする際には経営陣とのやりとりが増えます。

このような際にしっかりとコミュニケーションをとれるようになっておくことは非常に重要で、いざ話せとなると緊張して話せなかったりします。

僕自身も最初は緊張して上手く話せませんでしたが、繰り返しているうちにしっかりとコミュニケーションが取れるようになりました。

独立した際に最初にお仕事をさせていただく会社は大規模であることはまずないので、小規模クライアントの経営陣と話をし、悩み事を一緒に解決することは、監査法人にいるからこそ出来る経験です。

 

最後に・・・

僕自身としての悩みや経験について、思いつくままにツラツラとつづりました。

監査をしていると自分を見失ってしまいそうになることが頻繁にあります。

そんな時に「監査の楽しい部分」「自分はどうして会計士になったのか」のように初心に戻ってみるのも大事かなと思います。

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