こんにちは、公認会計士ひでともです。
あなたも遂に監査法人に入社して仕事につく頃ではないでしょうか??
やっとの思いで通り抜けた公認会計士試験。
初仕事はワクワクしますよね!
しかし、コロナ禍で監査法人ではどんどんリモートワークが進んでおり、ほとんど往査せず在宅で監査するケースも増えてきています。
リモート環境下だと色々と不安がありますよね、、、
さて、今回は公認会計士の日常として、監査法人新人のあなたに、少し先を行く先輩会計士として「セキュリティ面」と「業務面」の2つの観点から、これをやると無能認定を受けてしまうばかりか?最悪クビかも・・・というリモートワークによる監査で絶対にやってはいけない6のことについてお話ししていきます。
セキュリティ面でリモートワーク時に絶対にやってはいけないこと
まずはセキュリティ面で絶対にやってはいけない2つのことをお話します。
①クライアント資料を家で印刷する
監査契約で在宅勤務時の取り決めが為されているケースが大半です。
そして、契約書の中に「資料を家で印刷しない」とか「紙資料は持ち帰らない」などといった情報セキュリティの観点の取り決めは確実に含まれています。
上場企業の監査でみている情報は全てインサイダー情報も言っても過言ではありません。
このような情報がうっかり漏洩してしまった場合には監査法人の信用問題にもつながってしまいます。
絶対に印刷したりしないように気をつけましょう!
②カフェ等の公共エリアで仕事をする
リモートワークが続くと、ついつい気分転換がてらカフェなど公共エリアで仕事をしたくなってしまいます。
しかし、「クライアント資料を家で印刷する」でもお話しましたが、我々公認会計士が扱う情報のほぼ全てがインサイダー情報や個人情報といった機密情報です。
こういった情報をクライアントからお預かりして監査を実施しているにもかかわらず、カフェなどの公共エリアで仕事をしてしまう行為は絶対にダメです。
監査人という立場ではありるものの、クライアントは我々を信頼した上で社外秘や社内でも特定の人間しか閲覧できないような重要な情報を監査資料として提出してくれています。
これにもかかわらず、「その辺のカフェで仕事していました。」「うっかり見られてしまいました、盗まれてしまいました。」なんてことが起こったら、せっかく築き上げてきた信頼を失うことになります。
そして万が一情報が漏洩した場合には、あなた以外のチームメンバーなどがどのような情報が漏洩したのかの特定を行い、会社へ説明し謝罪を行います。
個人情報が漏洩したケースでは、クライアントの担当者が責任を問われたり、各営業担当者が漏洩した顧客に対し謝罪を行います。
このように、漏洩した情報によっては損害賠償の請求を受けたり、監査契約解除につながり、あなた自身が多額の損害賠償請求を受けることになる可能性もあります。
大量の個人情報などを流出させてしまったケースでは、損害額が数千万円から数億円に上ります。
業務面でリモートワーク時に絶対にやってはいけないこと
続いて業務面から4つの絶対にやってはいけないことです。
セキュリティ面と比較し、重要度は下がりますが、プロとして絶対にやってはいけません。
③業務説明でわからない事をその場で聞かない
リモート環境では、全体のキックオフだったり進捗共有会をSkypeやteamsといってツールを使用して実施しているケースが多いです。
このミーティングで業務の説明がされるわけですが、自分の担当分でわからないことがあっても質問するのは少し気が引けるもの。
往査をして直接顔を合わせていれば、仮にあなたがわかっていなくても、様子で先輩たちが気がついてくれます。
しかし、リモート環境では顔が見えないのでどうしても「わからない雰囲気」が伝わりません。。。
ですので、分からなければ分からないと必ず聞きましょう!
僕は今でもヘルプアサインの時は説明と自分の理解に差がないか「こういう認識で大丈夫ですか?」と確認するようにしています。
こうすることで認識相違による手戻りといった無駄を事前に排除することができます!
④前期調書を見ない、調べずに即質問する
監査をしているとよく分からないことが出てきますよね。
そんな時の第一に取るべき行動は「前期調書を見る」か「ググる」です。
「即質問」という同じ区分ではありますが、2つに分けてお話します。
前期調書を見ずに質問する
新人がぶち当たる疑問の多くは過年度調書で理解&解決済みです。
もちろん過年度調書にない新しいパターンや、見過ごされていたパターンがゼロではありませんが、前期調書を確認しないノールック質問は絶対NG
新人とは言え会計士というプロフェッショナル。
先輩達も超多忙なので、あなたが最低限出来る努力はした上で質問をしましょう。
その上でなおどうすれば良いか5分以上悩むのであれば、聞いてしまってください。
リモートワーク時ではなくても気を付けなければなりませんが、チャットなどを打つ手間などを考えればリモート時ほど気を付けたほうが良いです。
ググらずに即質問する
「え?それググればすぐわかるよね?」みたいな一般的なレベルの質問をする新人は結構います。
あなたの前に置いてあるものはなんでしょう?
そう、パソコンです。
用語やExcelの使い方はとりあえずググってみたら良いんじゃないでしょうか?
ExcelやWordといった一般的なアプリケーションや、業界用語などあなたが疑問に思うことの9割以上はGoogleで検索すれば解決します。
質問するなら「こう調べたけど、わからなかった」とか「調べてここまで分かったけど、その先がわからない」といった質問の方が良いですよね。
特にリモート環境ではわざわざチャットする暇があるなら一度ググりゃ良いのに、、、という事案が後を立ちません(笑)
冷たいと思うかもしれませんが、あなた含めみんなプロフェッショナルなんです!
まずは自分で調べて考えるクセをつけましょう!ちゃんと自分で考えている人はしっかりチームやクライアントからも認められるので、最初がとっても肝心です。
⑤進捗や手続の状況を誤魔化して報告する
怒られたくないからついつい誤魔化してしまう人がたまにいます。
公認会計士は財務諸表に重要な虚偽表示がないことを保証するために監査を行っているにもかかわらず、進捗報告程度で自分自身が虚偽の申告を行ってしまって良いわけがありません。
さらに、リモート環境だと通常以上に全体のプロジェクト進捗を管理するのが大変で、顔や様子といった雰囲気から得られる情報はゼロに近いです。
このため、細かい部分は報告ベースで把握せざるを得ません。
とにかく進捗や状況の報告を求められたら正直に答えましょう!
そのほか懸念点や困ったこと、ちょっとした気づきなどもしっかり伝えるとより良いですね。
公認会計士ひでともの体験談
数字が一致していることの確認がとれれば良かったので、「やった」という言葉をもって「数字が一致している」と信じていました。
すると彼は数日後に「すみません、数字が合わないんです。。。」と血相を変えて連絡してきました。
このケースでは、まだ対応する期間にかなりの余裕があったと、差異の理由は僕がすでに知っている事象によるものだったため事なきを得ました。
話を聞くと、合わなかったり上手くできなかった作業を後回しにするクセがあるようで、期日が来てしまったのでとりあえず実施済みと報告してしまったようです。
たしかにその場でレビューをしなかった僕にも大きな非がありますが、まさか合っていない数字を合っていると言い進捗報告を上げてくる会計士がいるとは・・・とショックを受けたことがあります。
ミスなどを正直に報告できる人の方が信頼できるので、逆に怒られにくいです。
また、同じようなミスをして怒られる人と怒られない人の差はこういったところにあります!
⑥往査日程の把握をしない
往査がある場合には事前に現場主査から日程の連絡や作業内容の連絡がきています。
リモートだと油断していて実は往査だったというのでは笑えません。
特にコロナ禍で往査する場合には、人数を絞ってそこで一発勝負的にリモートでできない手続を実施するケースも多いです。
そんな時「忘れてました、、、」なんてことにならないように必ず往査日程の確認をしましょう!
特に新人は事務所から何かを持ってくるように頼まれているケースも多いので、前日の夜に気づいてからでは遅いこともあります。
1週間前には翌週の予定を確認しておきましょう!
【まとめ】新人が絶対してはいけないこと
まとめ
■セキュリティ面
①クライアント資料を家で印刷する
②カフェ等の公共エリアで仕事をする
■業務面
③業務説明でわからないところをその場で聞かない
④前期調書を見ない、調べずに質問をする
⑤進捗や手続きの状況を誤魔化して報告する
⑥往査日程の把握をしない