こんにちは、公認会計士ひでともです。
僕が会計士を目指した際に、解答を覚えるために行った「要約」を公開します。
-
-
公認会計士試験の勉強法!僕が実践した資産テキストを作る方法。
短答式試験に合格して、いよいよ最後の壁である論文式試験。 12月の短答式試験後から8月の試験までの短期間で論文式試験の論述のための知識を蓄えなければいけません。 しかし量が膨大なので挫折してしまいそう ...
構成は、まずは問題文とこれに対する解答例を記載し、実際に僕が記憶する際にどのような要約方法をとったのかを記載していきます。
公認会計士試験合格を目指した際に、完全な暗記ではなく「点を稼げる暗記」という方針をとったため、解答例を少しアレンジしたりしていますが、会計士試験に合格するための理解や大枠としての理解としては十分だと思っています。
この方法で、僕は論文式試験の全国模試で財務理論の一部で20位以内をとり、また全科目の順位も同じ教室内で常に上位を維持していました。記憶に対する努力量に対してコスパの良く、それなりに効果のある学習方法だと思っています。
それでは、さっそく本題に入りたいと思います。
1.固定資産 減価償却費と売上(問題と回答)
問題と回答
【問題】固定資産 減価償却費と売上
有形固定資産の減価償却費が売上とどのような対応関係にあるか説明しなさい
【解答例】固定資産 減価償却費と売上
有形固定資産の減価償却費は、それが製品原価に算入されるか否かによって、売上との対応形態が異なる。
まず、製造用有形固定資産の減価償却費は、特定の製品に係る売上の獲得と直接的に関連があるため、製品原価に算入されたうえで、売上原価と期末棚卸資産原価とに分かれる。よって、売上原価に含まれる減価償却費は、製品を媒介として売上収益と個別的に対応していると言える。
これに対し、製造用以外の有形固定資産の減価償却費は、販売費および一般管理費として発生時の期間費用とされる。製造用以外の有形固定資産の減価償却費は、売上の獲得に貢献するが、特定の製品に係る売上収益の獲得と直接的な因果関係を把握することができないため、間接的に売上高と対応させて投下資本の回収を図っているのである。よって、製造用以外の有形固定資産の減価償却費は、売上と間接的に対応していると言える。
2.固定資産 減価償却費と売上(要約)
要約
【要約】固定資産 減価償却費と売上
区分 | 売上との対応 | DPのFS 計上区分※ |
製造用 有形固定資産 |
個別的対応 (=直接的) |
PL:売上原価 BS:期末棚卸資産 |
製造用以外 有形固定資産 |
期間的対応 (=間接的) |
PL:販管費 |
(※)略語・用語の意味
要約で使用している略語や用語の意味です。
こちらは、一般的な略語・用語もありますが、僕が記憶する上で覚えやすいようにしているものも含まれます。
DP:減価償却費(Depreciation)
FS:財務諸表(Finacial statements
PL:損益計算書(Profit and loss statement)
BS:貸借対照表(Balance sheet)
販管費:販売費および一般管理費
3.要約のポイント
今回は減価償却費と売上の関係性についてです。
個別的対応と期間的対応についてを記載すれば良いだけの問題なので、解答方法はいろいろあると思います。
今回の解答例だと「製造用→直接的関係→製造原価→個別的、製造用以外→販管費→間接的→期間的対応」という流れで解答しています。
ただ、試験ではこんな感じで解答しても良いんじゃないかと考えています。
有形固定資産の減価償却費と売上は、製造用有形固定資産かそれ以外の有形固定資産かによって異なる。まず、前者の減価償却費は、製品原価を構成することにより売上と個別的な対応となることから、当期販売分は売上原価に、期末在庫分は期末棚卸資産に計上される。一方で、後者の減価償却費は、特定製品の売上に直接的な対応はないが売上獲得に貢献することから、売上と期間的な対応をしていると言える。したがって、当該費用は販売費および一般管理費に計上される
逆に、解答例を丸暗記すると、どこが重要なポイントかがわかっていない状態になってしまうため、解答欄の長さに応じた柔軟な対応ができなくなってしまうというデメリットがあります。
4.利用上の注意点
本要約は、僕が会計士試験合格を目指していた2013年~2015年頃の基準に基づいて作成しています。公開の主要な目的は、試験勉強時にどのような要約をすべきなのかという点の共有です。この辺りは予備校では細かく教えてもらえておらず、僕が独自に行ったノウハウなので、その点だけご留意いただいてご自身の勉強に活かしてください。
最新の会計基準に対する要約は、必要に応じて別途公開していく予定ですのでご承知おきください。