家計管理や会計を公認会計士で二児の父が語るブログです

公認会計士 ひでとも.com

財務理論 第17回 概念フレームワーク 資産の測定 ざっくり勉強法

 

こんにちは、公認会計士ひでともです。

僕が会計士を目指した際に、解答を覚えるために行った「要約」を公開します。

ひでとも
なぜ僕が要約した理解&暗記を重視しているのかは、こちらです
公認会計士試験の勉強法!僕が実践した資産テキストを作る方法。

短答式試験に合格して、いよいよ最後の壁である論文式試験。 12月の短答式試験後から8月の試験までの短期間で論文式試験の論述のための知識を蓄えなければいけません。 しかし量が膨大なので挫折してしまいそう ...

続きを見る

 

構成は、まずは問題文とこれに対する解答例を記載し、実際に僕が記憶する際にどのような要約方法をとったのかを記載していきます。

公認会計士試験合格を目指した際に、完全な暗記ではなく「点を稼げる暗記」という方針をとったため、解答例を少しアレンジしたりしていますが、会計士試験に合格するための理解や大枠としての理解としては十分だと思っています。

この方法で、僕は論文式試験の全国模試で財務理論の一部で20位以内をとり、また全科目の順位も同じ教室内で常に上位を維持していました。記憶に対する努力量に対してコスパの良く、それなりに効果のある学習方法だと思っています。

それでは、さっそく本題に入りたいと思います。

 

1.概念フレームワーク 資産の測定(問題と回答)

問題と回答

【問題】財務諸表項目の測定(資産)

資産の測定について、以下の各問に答えなさい。

(1)取得原価、特に未償却原価による測定値が有する意味について説明しなさい。

(2)再調達原価を資産の測定値として用いた場合、その変動額はどのような意味を持つと考えられるか

(3)購買市場と売却市場とが区別されない場合の市場価格は、資産の経済価値を表す代表的な指標の一つであるが、現行制度上、いかなる項目の貸借対照表価額として利用されているか。具体例を示し、その測定値の変動の意味を説明しなさい。

(4)被投資企業の純資産額に基づく額が資産の測定値として用いられる場合を2つ説明しなさい。

【解答例】財務諸表項目の測定(資産)

(1)未償却原価による測定値の有する意味

取得原価、特に未償却原価による測定値は、継続利用している資産について将来に回収されるべき投資の残高を示す。つまり、個の測定値は、資産の価値の測定方法としてよりも、資産の利用に伴う費用を測定する上で重要な意味をもつ。なお、費用測定のための期間配分の手続きにおいては、いくつかの将来事象について見積りが必要であり、重要な誤りが事後的に判明した場合は、見積りが適宜修正され、それに応じて未償却原価も修正される。

【出典:「財務会計の概念フレームワーク」第4章本文10項】

(2)再調達原価の有する意味

再調達原価は、保有する資産を測定時点で改めて調達するのに必要な資金の額を表すことから、その変動額は、資産の調達時期を遅らせていたならば生じたはずの損益として意味づけられる。

【出典:「財務会計の概念フレームワーク」第4章本文16項】

(3)購買市場と売却市場の区別がない市場価格

具体例:売買目的有価証券

市場価格の変動額には、将来キャッシュ・フローや割引率に関する市場の平均的な期待の改訂が反映されるため、その変動額は、事業場の制約がなく清算できる投資で、かつ市場における有利な価格変動を期待しているものについての成果を意味する。

【出典:「財務会計の概念フレームワーク」第4章本文13項】

(4)被投資企業の純資産額に基づく額が資産の測定値として用いられる場合

第一に、関連会社又は非連結子会社に対する投資に持分法を適用する場合である。第二に、時価を把握することが極めて困難と認められる株式について、その会社の財政状態を反映する実質価額が著しく低下した時に実質価額まで評価減を行う場合である。

 

2.概念フレームワーク 資産の測定(要約)

 

ひでとも
この論点について、僕は次のように覚えました。また、解答の正確な要約というより、別の角度からの出題に対応できるようなイメージで要約しています。

要約

【要約】財務諸表における測定(資産)

(1)未償却原価による測定値の有する意味

取得原価(未償却原価)=将来回収されるべき投資残高

価値測定 < 利用による費用測定

⇒見積り変更で修正される

(2)再調達原価の有する意味

再調達原価:言葉の通り

変動額:調達時期を遅らせていたら発生した損益

(3)購買市場と売却市場の区別がない市場価格

具体例:売買目的有価証券

変動額:

将来CF(※)や割引率への市場平均的期待の改訂が反映され、①かつ②の意味

①事業場の制約なく清算できる投資
②有利な変動を期待しており、その成果

【出典:「財務会計の概念フレームワーク」第4章本文13項】

(4)被投資企業の純資産額に基づく額が資産の測定値として用いられる場合

①持分法

②時価なしの実質価額への評価減

(※)略語・用語の意味

要約で使用している略語や用語の意味です。

こちらは、一般的な略語・用語もありますが、僕が記憶する上で覚えやすいようにしているものも含まれます。

CF:キャッシュ・フロー

 

3.要約のポイント

今回は財務諸表項目の資産の測定についてです。

「(1)未償却原価の意味」については、投資回収残高で、回収できているかの判定のために必要なものは、収益と期間的対応をさせた際の費用はいくらなのか?を覚えておく点が重要です。

 

「(2)再調達原価」について、今後の学習をしていくうえで重要なポイントですが、用語からわかるものは無理に覚えないことです。一字一句正しく書かなければならない試験ではないため、言葉からわかる用語の意味は一度さらっとみて「ふーん、そう書くのね」と思う程度で十分です。

 

「(3)購買市場と売却市場とが区別されない場合の市場価格」については、売買目的有価証券の他に、トレーディング目的で保有する棚卸資産も当てはまります。

いずれにせよ、この解答を見たときに「あー、忘れても金融投資の話を書けば行けそうだな」と感じることが大切です。

 

(4)被投資企業の純資産額に基づく額が資産の測定値

持分法・実質価額の2択だと覚えます。

 

4.利用上の注意点

本要約は、僕が会計士試験合格を目指していた2013年~2015年頃の基準に基づいて作成しています。公開の主要な目的は、試験勉強時にどのような要約をすべきなのかという点の共有です。この辺りは予備校では細かく教えてもらえておらず、僕が独自に行ったノウハウなので、その点だけご留意いただいてご自身の勉強に活かしてください。

最新の会計基準に対する要約は、必要に応じて別途公開していく予定ですのでご承知おきください。

 

  • B!