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財務理論 第20回 棚卸資産(洗い替え法と切放し法)ざっくり勉強法

 

こんにちは、公認会計士ひでともです。

僕が会計士を目指した際に、解答を覚えるために行った「要約」を公開します。

ひでとも
なぜ僕が要約した理解&暗記を重視しているのかは、こちらです
公認会計士試験の勉強法!僕が実践した資産テキストを作る方法。

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構成は、まずは問題文とこれに対する解答例を記載し、実際に僕が記憶する際にどのような要約方法をとったのかを記載していきます。

公認会計士試験合格を目指した際に、完全な暗記ではなく「点を稼げる暗記」という方針をとったため、解答例を少しアレンジしたりしていますが、会計士試験に合格するための理解や大枠としての理解としては十分だと思っています。

この方法で、僕は論文式試験の全国模試で財務理論の一部で20位以内をとり、また全科目の順位も同じ教室内で常に上位を維持していました。記憶に対する努力量に対してコスパの良く、それなりに効果のある学習方法だと思っています。

それでは、さっそく本題に入りたいと思います。

 

1.棚卸資産 洗替え法と切放し法(問題と回答)

問題と回答

【問題1】棚卸資産の収益性の低下による簿価切り下げ額の処理において、以下の考え方を説明しなさい

(1)洗い替え法を採用すべきとする考え方

(2)切放し法を採用すべきとする考え方

【問題2】棚卸資産の収益性の低下による簿価切り下げ額の処理②

棚卸資産の収益性低下による簿価切り下げ額の戻し入れ額について、売価の下落要因を区分把握できる場合には、物理的劣化や経済的劣化、もしくは需給変化の要因ごとに洗い替え法を選択適用することができるか?

【解答例1】棚卸資産の収益性の低下による簿価切り下げ①

(1)洗替え法

固定資産の減損処理においては損失発生の可能性の高さを要因とするのに対し、棚卸資産における収益性の低下は、期末における正味売却価額が帳簿価額を下回っているかどうかによって、判断するため、簿価切り下げ額の戻し入れを行う洗い替え法の方が、戻し入れを行わない切放し法に比して、正味売却価額の回復という事実を反映するため、収益性の低下に着目した簿価切り下げの考え方として整合的であるという考え方がある。

(2)切放し法

収益性の低下に基づき、過大な帳簿価額を切り下げ、将来に損失を繰り延べないために行われる会計処理においては、いったん費用処理した金額を正味売却価額が回復したからと言って戻し入れることは、固定資産の減損処理と同様に、適切ではないという考え方がある。

【出典:「棚卸資産の評価に関する会計基準」55、56項】

【解答例2】棚卸資産の収益性の低下による簿価切り下げ②

売価の下落要因を区分把握できる場合には、その要因事に洗替法と切放法を選択適用することができる。

このうち、物理的な品質の低下を原因とする物理的劣化と機能的な陳腐化を原因とする経済的劣化が生じている場合には、棚卸資産自他に欠陥が生じている状態であり、通常、正味売却価額が反騰することは望めないため、切放法によることが好ましい。

他方、需要より供給が多いという一時的な市場の需給変化に基づく収益性の低下による場合には、棚卸資産自体は正常な状態であり、需給関係が改善することで正味売却価額も反騰することが予測されるため、洗替法によることが好ましい。

【出典:「棚卸資産の評価に関する会計基準」14項】

 

2.棚卸資産 洗替え法と切放し法(要約)

 

ひでとも
この論点について、僕は次のように覚えました。また、解答の正確な要約というより、別の角度からの出題に対応できるようなイメージで要約しています。

要約

【要約】投資の回収形態と収益性低下の判断基準

区分 簿価切り下げの考え方 売価の下落要因
洗替法 正味売却価額の回復の事実反映 棚卸資産の状態
「欠陥」
切放法 将来に損失を繰延べない
(過大なボカ ※切下げ)
棚卸資産の状態
「正常」

(※)略語・用語の意味

要約で使用している略語や用語の意味です。

こちらは、一般的な略語・用語もありますが、僕が記憶する上で覚えやすいようにしているものも含まれます。

ボカ:帳簿価額

 

3.要約のポイント

今回は洗替法と切放し法の考え方についてです。

ひでとも
このような例題を覚えるポイントは一つ。「要点以外は捨てる」です。

試験において、このような基本的な考え方の論点が丸ごと出て、解答用紙に何行も書かせるというのは想定しにくいです。なので、捨ててしまう(=覚えない)というのも大事です。

ひでとも
もちろん出ないわけではないですが、重要度が低いし、みんなそれほど解答できない可能性が高いんですよね。

では、今回の問題のどこが重要か?というと次の点です。

洗替法=正味売却価額の回復を反映=棚卸資産の状態は正常(回復可能性あり)

切放法=将来への損失繰延回避=棚卸資産の状態は欠陥(回復可能性なし)

 

特に、解答にも書いてある通り「将来への損失繰延を回避」というのは固定資産減損の解答にも使い回せる内容であり、「減損というのは切放し法と同じ考え方」という気づきを得ることができます。

つまり切放し法の考え方を覚えると、「減損をする理由」は必然的に「将来に損失を繰り延べない」になるわけで、覚えるものがひとつ減るというわけです。

 

ひでとも
僕は会計学者ではないので、「厳密には間違ってるんだ!」という指摘もあるかもしれません。しかし、会計士試験で必要なことは会計理論的に満点の解答をするのではなく、合格点を取ることです。つまり、多少の学者的認識相違は気にしない方が良いことになります。

 

 

4.利用上の注意点

本要約は、僕が会計士試験合格を目指していた2013年~2015年頃の基準に基づいて作成しています。公開の主要な目的は、試験勉強時にどのような要約をすべきなのかという点の共有です。この辺りは予備校では細かく教えてもらえておらず、僕が独自に行ったノウハウなので、その点だけご留意いただいてご自身の勉強に活かしてください。

最新の会計基準に対する要約は、必要に応じて別途公開していく予定ですのでご承知おきください。

 

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